Want to start in local area

ホームスタートは、
住民参加型の訪問子育て支援の仕組みです

「ホームスタート」は、地域の子育て経験者がボランティアとして安心安全に子育て家庭を訪問支援できる「支援の質を担保する仕組み」が特徴です。
私たちは、全国各地の皆さんにこの仕組みを使っていただくことで、孤立した子育てになることを防ぎ、地域みんなで子どもの育ちを支えるまちづくりを進めたいと考えています。

ホームスタートとは

イギリスで50年前に始まり、世界22カ国に広がった「家庭訪問型子育て支援」です。地域の子育て経験者が無償のボランティアとして、妊婦や未就学児がいる家族を訪問して支援します。

さまざまな団体が地域でホームスタートを始めています

地域の子育て経験者によるフレンドリーでボランタリーな活動がホームスタートの魅力です。
その力を発揮するために、地域の運営母体(スキーム)は民間団体であることを前提としています。
具体的には、下記のような団体がホームスタート事業を導入しています。

  • 子育てひろば運営団体
  • ファミリーサポート事業運営団体
  • 助産師や母子保健推進委員の団体
  • 保育園運営団体・保育事業実施団体
  • 子育て支援センター運営団体
  • 児童養護施設運営団体

 ホームスタートを始めるために、新しく団体を立ち上げたり、複数団体が連携する組織を作る場合もあります。

地域の団体がホームスタートを始めた理由

子育てひろばの運営団体

ひろば事業に取り組む中でピアサポートの有効性は実感していましたが、ひろばに出て来られない親子や一度来られただけでその後来られなくなった親子のことが気になっていました。また、ひろばに来られている方からも、ここに来れるようになるまでが辛かったという話をよく耳にしていたので、私たちに訪問支援ができればという思いを抱くようになっていました。個別訪問支援が自分たちにできるのかという不安やためらいを感じている時に、ホームスタートを知ったんです。ホームスタートの質を担保するしくみを導入することで安全な家庭訪問支援ができる、と考え、訪問活動を始めました。使ってみると、なるほど!と思ういろいろな工夫が組み込まれているしくみですね。ホームビジターと一緒にひろばに来ることで、その後ご自身で来られるようになったり、拠点と訪問支援の組み合わせはとても有効だと感じています。

ファミリーサポート事業運営団体

ファミリーサポートは、お子さんを預かったり、お母さんの代わりにお子さんの送迎をしたりする活動で、地域の支え合い活動として長年取り組んできました。そんな中、急に利用がなくなった家庭があり心配で連絡をしてみたところ、家計が苦しくて利用料が払えないから使えなくなったと言われ、お母さん自身のつらい気持ちをお聞きする場面がありました。一方で、協力会員さんからも、お子さんを迎えに来られた時に玄関先でお母さんの話を長くきくことがあり、相談されることもでてきたんです。そんな従来事業の枠組みでは対応できないというジレンマを感じている時にホームスタートのことを知りました。まさに、これだ!と思い始めました。訪問支援した家庭がその後ファミリーサポートを利用されるようになったり、協力会員さんがホームビジターの活動を始められるなど、事業間の相性もとてもいいと感じています。

要支援要保護児童・家庭への支援に取り組む団体

養育支援訪問事業で家事育児ヘルパー派遣事業を実施する中で感じていたんですが、問題が大きくなってしまった家庭への支援はとても時間がかかりますし、支援をしていてもある意味現状を維持するのがやっとという状況が多くあります。もっと早くに支援ができていたらと感じたり、お母さん自身の家事育児力を高める支援方法があったらと感じていました。ホームスタートは、誰でも気軽に利用できる支援なので、問題が大きくなる前に支援できますし、お母さん自身が本当に元気になっていくことが実感できる支援だと実感しています。一緒に家事育児をすることで、自分でできる喜びや自信がつくところもホームスタートならではだと思います。

地域で始めるまでの流れ

ホームスタート・ジャパンの担当者が段階的にサポートします。
随時の相談に加えて、各地の団体が共用している各種ツールを提供することなどで運営を支援します。

  • STEP1

    導入に向けて、勉強会の開催や具体的な検討を進める

  • STEP2

    運営母体になる団体を決め、事業計画と体制を準備

  • STEP3

    オーガナイザー養成研修に申し込み、参加

  • STEP4

    ホームビジター(ボランティア)養成講座を地元で開催。
    ボランティアを募集

  • STEP5

    利用家庭を募集。訪問開始へ

活動を立ち上げるにあたっては、ホームスタートについての十分な理解や、運営母体となる団体の中での合意と準備、行政機関との連携などが重要になります。そうした点について、ホームスタート・ジャパンがサポートしますので、まずは問合せ・ご相談をお願いします。

気軽に聞けちゃう! 家庭訪問型子育て支援ホームスタートの始め方

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行政からの委託・連携の実績

各地で活動する運営団体の6割以上が、地元自治体からの委託や補助金を受けて活動しています。
また、利用家庭の約4割は、赤ちゃん訪問の事業を担当する保健師の方などの
紹介がきっかけでホームスタートを利用しています。
さらに、利用家庭のニーズに応じて、利用者を各種の子育て支援組織や保育園・病院など
地域の社会資源につなぐ役割もホームスタートは果たしています。

委託実績のある事業

  • 地域子育て支援拠点事業
  • 養育支援訪問事業
  • 多胎妊産婦サポーター等事業
  • 利用者支援事業
  • 産前産後サポート事業
  • 各地の自治体独自の事業

保健師・自治体関係者からの声

保健師 (愛知県豊橋市)

ホームスタートは、専門職とは違い、普段の感覚でお母さんも身構えなくていい存在で、やさしく母 親のように接してくれる良さがあります。利用中に保健師訪問すると、「こないだ来てもらったんで す」と嬉しそうに話されて、緊張感も和らいで肩の力が抜けている様子がうかがえます。他にも、「地 域への子育てひろばへ一緒に行って、ひとりで行けるようになった」と聞くと、つないでよかったと 思えます。毎年、オーガナイザーの方には訪問する保健師や看護師向けに説明をしてもらい、誰でも 気軽に利用できるホームスタートのよさを保健師みんなが理解するようにしています。お母さんの中 には、人との関係づくりが苦手な人もいます。そういう人のときは、「よかったら、今度、ホームスタ ートの人をいっしょに連れてくるよ」と言って、オーガナイザーさんにつなぐようにしています。

子育て支援課(会津若松市)

会津若松市では子育て支援に力を入れており、平成26年度からホームスタート事業をNPO法人への委託事業としました。初めての子育てに対する不安がある家庭や周りに支えてくれる人がいない家庭、このままだと虐待してしまうかもしれないと感じている家庭等、悩みや問題が大きくなる前の予防を重視しています。転居してきて知人がいない方が「救われた」「一緒にいてくれることが本当に心強い」という評価や話をいただいています。今後も身近に相談相手がいない、引きこもりがちな子育て家庭の不安感・負担感を緩和するとともに、地域・行政とのつながりのきっかけを作り、子育て家庭の孤立化を防ぎ、さまざまな行政の支援策の利用に繋げていければと思います。

こども未来局(福島県)

核家族化が進み、地域・近隣のつながりが希薄になっている時代になってしまいました。家庭での子育ての負担が大きくなり、育児ノイローゼや幼児虐待という悲しい深刻なケースも発生しています。地域の子育て力を少しでも取り戻してゆくことが求められていると思います。福島県についていえば、東日本大震災・原子力災害で子育て環境も深刻な影響を受け、多くの子育て中の家族も避難を余儀なくされ、さらに地域の子育て力を高める必要があることが浮き彫りになりました。福島県内のホームスタート事業の始まりが、会津坂下町に避難された子育て家庭への訪問だったことは、消して偶然ではなかったと思います。

地域の子育て支援の充実には、各地域に根ざして子育て支援の活動に取り組んでいる皆さんとの協働が必要でしょう。また、支援を受ける人も支援をする人も共に満足する活動が理想であり、そうでなければ持続的な支援活動にはならないでしょう。そうしたことからすると、ホームスタート事業は時宜に適った子育て支援活動であると思います。

よくある質問

ホームスタートを始めたいと思っているのですが何から始めればよいですか?

ホームスタートを導入したいと考えているのは、どのようなメンバーでしょうか。あなた個人でしょうか?それとも団体内の数名のスタッフでしょうか?まずこのような身近なメンバーの理解を得るのが第1のステップです。団体としての合意形成がしっかり行われることが、その後の活動に大きく影響しますので、まずは、「ホームスタート勉強会」の場を設けましょう。開催希望日などをご連絡いただければ講師派遣調整をいたします。
 また、ホームスタートは地域の協力がなくてはできない活動です。関係機関(市町村役場の担当課)や、保健師、助産師、地域子育て支援センター職員、民生委員、母子保健推進委員といった、子育てに密接に関わっているかたなどにも参加いただけるように学習会の機会を活用しましょう。

新しくホームスタートのための団体をつくりたいのですが?

子育て支援経験が豊富な個人や複数の団体がまとまって新たなホームスタート実施団体を構成し、地域でホームスタートの活動を始めることもあります。その場合、前出のような学習会を開催し、どのような組織体制づくりをしてゆくか話し合う「設立準備委員会」を設置されます。これらの会合にHSJコンサルタントがお伺いし、皆さんが必要な情報を提供しながらサポートすることも可能です。

行政直営の実施は可能ですか?

行政が直営する、つまり行政の立場から育児経験者を直接派遣するホームスタートの仕組みはありません。フレンドリーで対等な関係による支援によって「親の気持ち」に焦点をあて、主要な活動を「傾聴」と「協働」に絞る活動だからです。行政の派遣では、こうしたホームスタートのポリシーから外れてしまうのです。また、利用者のニーズに応じて、「一緒に買い物をする」「一緒におしゃべりをする」というような活動も含まれるなど、幅広い支援内容と状況に応じた調整などは、民間主体の活動ならではの強みであるとも言えます。行政とNPO等の市民団体が協働することで、様々な機関や支援を繋ぎながら最大の効果を発揮するのがホームスタートなのです

ファミリーサポート事業と何が違うのか?

ファミリーサポートでは「親の代わりに保育や送迎」が支援者の役割ですが、ホームスタートでは保育や家事育児の代行はせず、「親自身に寄り添いエンパワメントすること」が目的です。親子と一緒に過ごしながら支援するため、親の育児力の向上や子育て意欲の向上に役立ちます。

ボランティアで大丈夫なのか?

「住民参加型の安心安全な活動を実現する包括的なしくみ」がホームスタートにはあります。ホームスタートでできることは限られているので、保健師のサポートが必要と気付いた時に早めに連携できるよう、その意思疎通を図ることが大切です。また、緊急時の対応についても事前に共有確認をしておくことで、リスクマネジメントが可能となります。

どのようにご本人に支援の存在を周知できるのか?

~自治体の母子保健業務との連携による効果的な情報提供~

  • 母子手帳交付時にチラシ配布
  • 出産後や乳幼児家庭へ情報提供
  • 4ケ月健診時に説明相談デスクを設置、説明会を開催
  • 関係機関でのチラシやポスターの設置

その他、病院やスーパー等、乳幼児家庭と接点のある民間施設の協力も得て各地で周知しています。

オーガナイザーはどんな人が適任?

オーガナイザーはこの活動の要となる人であり、主に以下のような活動をします。

  • 個別の訪問ケースマネジメント
  • ホームビジターの募集・養成・フォロー
  • 地域の関係機関や他団体との連携

どれをとっても重要で責任ある仕事です。オーガナイザーに求める条件として、「子育て支援や子育てに関わる業務で3年以上の経験がある人」ということを挙げているのもこのためです。オーガナイザーは各スキームに1~2名が通常ですが、地域規模や訪問家庭数によっては3名以上という場合もあります。
 また、「ホームスタート・オーガナイザーの5つの基本姿勢」として、以下のことを挙げています。

  • 訪問家庭やホームビジターに対して、上下関係を感じさせない、フレンドリーな姿勢
  • 訪問家庭の尊厳や家族の人権を尊重する姿勢
  • ホームビジターへの感謝の姿勢
  • 的確な見立てと関係機関との連携を重視する姿勢
  • 守秘義務やコンプライアンスを遵守する姿勢

オーガナイザーは、親ができていないことを評価するのではなく、どこの家庭にもある強みや良さに目を向けながら(ストレングス視点)、利用者がエンパワメントできる方向性を利用者やビジターと共に考えていくのが役割です。運営スキルと共にそのような人柄を兼ね備えた人が望ましいといえるでしょう。

運営委員会はなんのためにあるの?

ホームスタート事業を運営していくにあたり、オーガナイザーがその大きな役割を果たしていることは間違いありません。しかし、オーガナイザーだけが訪問活動全体を統括するのは業務内容的にも大変なことであり、不安定さを招くリスクも生じかねません。オーガナイザーを支え、質の高い訪問活動を維持していくためのサポート役が必要であり、この役割を担うのが「運営委員会」です。運営委員会を構成する運営委員は「トラスティー(Trustee)」と呼ばれており、この言葉は「信頼」を意味しています。
運営委員会は年2~3回開催され、オーガナイザーの報告に基づき、スキーム運営上の課題についてのバックアップを行います。ホームスタート事業を担当する自団体役員の他に、地域の子育て支援・母子保健に関わる行政関係者(保健師、子育て支援課職員等)や民間関係者(小児科医、助産師、臨床心理士、保育士、弁護士等)の4~6名で構成されています。地域の様々な立場の人がこの活動に参画できる機会づくりにもなっています。

活動資金はどのくらい必要?

活動のために必要な主な費用としては、①ホームビジター養成講座の開催費用、②訪問活動時の交通費(無償ボランティアによる活動ですが交通費は支給します。)、③オーガナイザーの人件費、④その他広報や運営費があります。立上げ時から自治体の事業として位置づけられる場合もありますが、初年度は民間助成金等を活用しモデル事業として始める場合も多くあります。予算総額の幅は広く、実施人員体制や訪問家庭数によって異なりますが、80~200万円の年間予算で実施されている地域が多くなっています。

システム利用料をホームスタート・ジャパンに支払う必要はあるの?

特に必要ありません。ホームスタートというシステムを全国の多くの皆さんに使っていただくことを目指していますので、システムの使用料などは設けていません。活動開始後は、ホームスタート・ジャパンの団体会員として登録いただくようお願いしていますので、その会費3万円のみお支払いいただいています。ホームスタート・ジャパンは、全国のホームスタート実施団体のネットワーク組織として支援の質の向上や普及のための活動を会員相互の交流を通して実施しており、その活動費として会費を活用しています。

その他ご質問などはお気軽にお問い合わせください。

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