Investing in Children! ホームスタート世界会議 日本初開催!
世界20ケ国から報告!親子に寄り添う家庭訪問子育て支援のニーズと効果
2017年11月7~11日まで、「Investing in Children!」をテーマに22ケ国のホームスタート代表が集う国際会議を東京で開催しました。
人生のスタートの乳幼児期を支えることが未来への投資になり、大きな違いを生み出すことは、途上国でも福祉先進国でも変わりません。ウガンダでの貧困家庭支援、ヨーロッパでの難民支援、イギリスでの効果測定調査など、世界のボランティアによる訪問型子育て支援の知見を共有しました。
親が親になるための市民サポートの必要性とホームスタートが持つ可能性
貧富の差の拡大や子育ての孤立化は、親自身の育児意欲の低下や児童虐待につながる世界共通の課題となっています。日本で初開催された世界会議から、ホームスタートが親と子にもたらす変化についてレポートします。
11/7国際シンポジウム 第一部基調対談
HS世界会議日本開催を記念し、午前にはHSフレンドシップ・モーニング(歓迎式典と国別グループワーク)、午後には国際シンポジウムを国連大学にて開催しました。汐見先生とジョアンさんの対談内容をご紹介します。
- 汐見稔幸先生
- 白梅学園大学前学長、東京大学名誉教授
厚労省社会保障審議会児童部会保育専門委員会委員長
保育雑誌『エデュカーレ』責任編集者
- Joan Van Nikerk(ジョアン・ファン・ニーカーク)氏
- 国際子ども虐待防止学会前会長・理事
南アフリカの児童法審議会・社会福祉専門家会議の委員歴任
ホームスタート・ワールドワイド理事
「乳幼児期における子育て支援の重要性」
汐見:みなさん、こんにちは。ジョアンさんは、南アフリカ共和国で、長く虐待防止の仕事をしてこられました。現在はホームスタート・ワールドワイドの理事をされています。日本によく来てくださいました。
Joan:歓迎していただき、とても嬉しいです。
汐見:日本では虐待される子どもの数が急速に増えています。これに対してどう取り組むのかがテーマになっていますが、南アフリカ共和国ではいかがでしょうか?
Joan:南アフリカ共和国では正確なデータがありません。報告例は増えていますが、本当に増えているのか、報告しやすくなったために増えたのかがはっきりしません。ただ、地方都市で子どもに社会資源が無いということも虐待の一部であると思います。子どもが飢餓状態である、保護施設がない、教育を受けられない、治療を受けられない、そういった環境に置かれることも私は虐待だと思うのです。しかし、もっと狭義での虐待も確かに増えていると思います。
虐待を早期予防する社会資源への投資
汐見:子どもを守るためのシステムは、国や歴史によってずいぶん違うと思います。日本では、民生委員や児童委員、児童相談所があるなど、形の上では子どもを守るシステムはあるのですが、十分に機能していない、そこをどう埋めていくのかが大きな課題です。南アフリカでは新しい予防的なシステムをどのように創ろうとしているのでしょうか?
Joan:アパルトヘイト政策が無くなった後に、新しい法律やルールが出来ました。早い時期に教育をするとか、早い時期に虐待を防ぐために、ホームスタート(以下、HS)のような仕組みを含めた様々な試みが始まりました。また法律もより包括的に変わってきました。ただ単に虐待に対応するだけでなく、子どもにとってより安全な国を創っていこうとしています。
法律は絶対のものですが、法律があっても実行するための社会資源がなければなりません。国は価値のある社会資源にきちんと投資すべきなのです。子育てもそのひとつです。子育てってそんなに簡単なことではないですよね。親になることがどんなに難しいことかは、親になるまでわからないものです。子どもが生まれる前から子育てについてどのように準備するかを知り、親としての役割や絆の重要性を理解することが大切です。そうすれば、子どもにも良いロールモデルになることができます。このように「若い世代の親としての認識を育てる」というのも国の重要な課題だと思います。
汐見:日本で子どもを守るための法律は児童福祉法ですが、これは戦後の戦災孤児をどう救うのかということで準備された法律です。その後の議論の中で、全ての子ども達の幸せを守るものでなければならないということになり、法改正が進んでゆきました。ただ、包括的になればなるほど、特殊なニーズをもった子どもたちをどうサポートしていくかという事について、焦点があいまいになってしまいました。日本は、制度が家族をサポートしなければならないという家族政策がなく、問題があっても家族の中で解決してくださいという方針でやってきたために、それができなくなっている家族に、いま急速に大きな問題がでてきています。家族の中で起きていることに対して上手にサポートしていくシステムの構築にとても遅れてしまった国なのです。
南アフリカと日本は背景が違いますが、家族を法的にサポートしなければならないという考え方は、南アフリカでは確認されているのでしょうか?
家族の再建と子ども権利条約
Joan:かなり利用価値のある法律ができてきたと思います。南アフリカでは、子どもと家族・コミュニティが、アパルトヘイト政策によって虐げられてきた、バラバラにされてきたという認識がありました。民主主義政権に替わったときに、家族を再建するのにどうしたらよいかという課題意識があり、そこで指針になったのが、国連の「子どもの権利条約」です。民主主義政権の初めての大統領ネルソン・マンデラ氏は、子どもをとても愛し、子どもと家族によりよい環境を与える重要性を認識していました。国連の指導を得ながらたくさんの専門家も参加し法を制定してゆきましたが、様々な困難もありました。実際に決断を下すのは政権ですから、議会に通すというハードルがあるわけです。私たちは議員に働きかけ、時として議員の元に子どもを連れて行って、子どものための権利を守る重要性を声高に訴えかけました。
法の話に戻りますと、子どもの権利についてだけでなく、親の権利はどうなるのかと親の声があがったのです。政府は、子どもに権利があるからといって親に権利が無いわけではない、と答えました。「子どもには、年齢や精神的な発達に相応の家族・コミュニティ・国家に対する責任がある。なぜなら、大人になって自らが親になるのが子どもなので、そういった責任も意識してもらわなければいけない。」という話に親も理解してくれたのです。親も子どもにとって良いロールモデルでなければならないという意識の醸成にもつながりました。
汐見:子どもと親を切り離して議論するのではなくて、子どもと親との望ましい関係性ができるように、親も子どもたちもサポートしていくということの大切さということを話していただいたと思います。
日本は子どもの権利条約の批准が遅れた国です。批准するまで5年くらいかかり、世界で158番目にやっと批准しました。子どもの権利条約を基準にしていこうという考え方は、改正児童福祉法の中にもキーワードがたくさん書き込まれて浸透しつつあるのですが、親が幸せに生きる権利を保障されていないかぎり、子どもだけを切り離して守るという事はたいへん難しいと思っています。日本では子どもを守る法律と親を守る法律が離れてしまっています。例えば、子どもが幼い時には原則残業をしてはいけないというような法律を作ることが、一番大事な子育て支援だと思うのですが、そういう法律はなかなか作られない。長時間の労働をしながら、その負担が母親一人にいってしまって、ゆとりのない子育てをお母さんが強いられているということには、なかなかメスがはいらないまま、保育園での預けられる時間を長くするということになってしまっています。肝心の家庭の中で子どもとゆったりと接する時間の保障ができないのです。なぜそうなってしまうかというのは、なかなか難しい問題だと思います。
南アフリカの場合には、「子どもを守る」という事と「親の権利を保障する」という事とをなるべく切り離さないでやっていこうという姿勢は、はっきりとあるのでしょうか?
Joan:南アフリカでは、ほとんどの人々が長い間人権を虐げられてきました。ですから人権に対する意識が高いのです。新しい憲法が制定された時に、そのなかに人権の項目を含むことになりました。そして人権に対しては多くの交渉がなされました。家族たちと話をする中で、「人権というのは大人と子どもの両方に当てはまるが、子どもは弱い立場なのでより多くの保護が必要だ」ということになりました。さらに南アフリカでは暴力の歴史があります。暴力を受けると大人になって連鎖してしまうこともあります。親には暴力ではない子育ての方法を知らせることが重要です。また親が長時間働いていると、子どもと過ごす時間が少なくなるだけではなく、子どもと過ごす時には疲れきってしまっているのです。感情的にも最適な状態ではありません。親が傍にいたとしても子どもときちんと関与していないのであれば、それは正しい子育てと言えません。そのバランスを整えるのがとても大事なことです。
私たちは虐待した親に対して懲罰をしたくなかったので、法律では「罰を与えるのでなく教えるべきだ」となっています。投獄したり刑務所に送ったりするのではなく、より良い子育てのスキルを教えるべきです。南アフリカの子育ての歴史のなかでは、子育てを覚えなかった人もいるんですね。家族と切り離されたり、アパルトヘイトのために子どもはどこか他のところに行かなければならなかったということもありました。子育てのスキルを教えてゆくとは言っていますが、現実には残念なことに、そこまでの社会資源がないという状況もあります。法律を変えればそれに伴って国の政策として社会資源を整備するということになると思いますが、法律だけでは足りないのです。人々が学ばなければならないのです。
親が親になるための市民サポート
汐見:虐待をしてしまったとしても、親を罰するのではなく、その親になる学びのチャンスをしっかり保障していくということが肝要なのだという、とても大事なことを教えていただきました。日本では、虐待した親を離すことはやっても、その親をしっかりもう一度ケアしていくシステムは弱いと、改めて考えてしまいました。
同時に、親になるためのノウハウをしっかりと学ぶということは、法律が整えばできるというものでもなく、さまざまな人のサポートが必要になりますね。特に日本は核家族で孤立しているお母さんが増えています。小さい時から群れて遊んで育つことが今の文化の中でなくなってきましたから、対人関係に苦手意識が強い方が多くて、人に上手に頼るという事ができなくなってきている、つまり孤立感が強くなってきているわけです。そういうお母さん方に子育てのやり方を上手に学んでいただくためにはOJT(On-The-Job Training)をやりながら学んでいくという場を提供していくしかない。そのためには、子育てを一緒にやっていく市民グループや法的ではないサポートが必要になってくるということです。HSもその一つだと思うのですが、市民による親御さんへのサポート、子育てのノウハウを学ぶためのサポートは、南アフリカでは始まっているのでしょうか?
Joan:2つのことをお話ししたいと思います。会場にいる皆さんの中で、子どもに対する暴力がどれくらい起きたかという2016年の国連の発表をご覧になった方がどれ位いるでしょうか?ネットで検索すると、世界中で子ども達をより健全に育てようとする活動が起きていることがわかります。ユニセフは数年前にガイドラインを作成し、児童虐待を防ぐために6つの戦略をたてました。最も重要な戦略は何かというと「親を親にさせること」だと言っています。子どもが幼いころ親子の関係が一番重要な時期に、絆を形成するべきだと言っているのです。これがHSでできることなのです。
調査によると、子どもがきちんと親から暴力なしで教育を受ければ、次世代では暴力が減ると言う結果もでているのです。子どもが直接の虐待を受けていないとしても、暴力に触れてしまうと脳の発達や行動にも影響があります。このような世界的な動きが起きているということは、希望が持てるということだと思います。この国際的な活動に様々な国々が参加しているので、南アフリカも政府を説得して参加したいと思いますし、日本の皆さんとも共に手をつなぎあって、親たちのスキルを高めていきたいと思います。
もう一つは、お父さんのことも忘れないでくださいという事をお伝えしたいと思います。調査によると、愛情のある父親に育てられた子どもは、思春期、そして大人になってから、さまざまな利点があるということです。例えば、学校をきちんと卒業するとか、女の子だったら10代に妊娠する確率が下がる、大人になってからもよりよいパートナーを選ぶことができるなどの結果がでています。やはり父親もきちんと子育てに関わっていくべきですし、時にはそれがより重要な場合もあるのです。父親は母親ほど子どもに関わることがなく、子どものニーズがわかっていないことも多いですね。父親もきちんと子育てに関わるべきです。
子どもを一人育てるには村が一つ必要
汐見:私は父親としてかなり育児をやってきたので、父親も子育てをしないと損だと、「父子手帳」という父親のための育児手帖本を作ってきました。子どもにとってお父さんに育てられる権利があるのだということを忘れてはいけないと思います。それが保障されない社会というのは、その分何かマイナスが出てくると思っています。
大事なことがたくさん出てきましたね。HSという活動が、親と子の関わり方を応援しているんだということ、市民の多様な活動から新しい可能性が出てきているということですね。日本では昨年NHKが初めてスペシャル番組で育児のことを取り上げました。なぜ日本のお母さんはメル友を一生懸命作りたがるのか?という問いで始まる番組でした。人間はどのように育児をしてきたかという歴史を原始時代から辿ったら、お母さんが子どもと二人だけで向き合い孤立した環境で育児した歴史は今まで一度もないということがわかってきました。これまでホモサピエンスは、群れて子育てしてきたということがわかっています。私たちの遺伝子の中には、群れて第三者がいることによって子育てがうんと楽になっていくというイメージが刻み込まれているわけです。ところが今、朝から晩まで子どもとだけ向き合って物凄いストレスになってしまうという人が増えている。それを解消するためには、母親と子どもの傍に第三者がいるという関係を豊かに創り出すことがとても大事だということが科学的にわかってきたのです。その一つの役割を、HSが果たせるのではないかという気がします。
ジョアンさんにお伺いしようと思っていたのですが、どこの部族の言い伝えかは知りませんが、アフリカには「子ども一人育てるためには村が一つ必要だ」という諺がありますよね。私は、やっぱり人類いくら変わったとしても、子ども一人育てるには、母・父との関係だけでなく、やっぱりみんなの支えが必要だと。村一つというのはなかなか大変ですけれども、そういう関係はやっぱり取り戻すことが大切で、それができないと、この虐待等々はなかなか解消しないと思っています。そういう社会を現代風に創ることは可能だと思いますか?
Joan:そうですね。HSはその意味でコミュニティに寄与している、コミュニティを形成していると思います。第三者として、プラス一人二人といった程度ですが、親同士がサポートするという形が作られますね。アフリカではこれを「ウブントゥ(UBUNTU)」と言います。その概念は、「子育ての責務は核家族だけではなく周りにいる家族にもある。つまり他者の子どもに対しての責務もある。」という考えなのです。それを満たさなければ、「ウブントゥを満たしていない」ということになります。親御さんが仕事の都合で引っ越したり、どんどん核家族化が進んだりすると孤立につながり、子育てもどんどん難しくなってきています。今日いらしている皆さんも、例えば、赤ちゃんが夜通し泣いている時に親戚の助けがあると助かりますよね。これが相互ケアなんです。私たちはこの活動を通して、そういった概念をコミュニティに植え付けたいのです。
HSというムーブメントが持つ可能性
「人と人が豊かに関わるのが本当の喜び」という、もう一つの文化を創ること
汐見:私も、お父さんとお母さんが一緒になって当たり前に子育てする社会を見れないとまだ死ねないと思っています。そういう社会の育成のためにもう少し頑張りたいと思います。
ジョアンさんの資料の中に、「憲章は、ウブントゥ(UBUNTU:アフリカ独自の共生を意味する言葉)の概念も取り入れ、「子どもたちは年齢や能力に応じて、自身の家族・地域・州に対する責任をもつ」という条項が表されています」と書かれています。子どもの権利の中に「子どもの責任」という言葉が出ていることを非常に新鮮に感じました。「あなた方にもきちんと生きる責任があるんだ」ということが表現されていて、子ども達がシャキッとするためにもとても素敵だなあと思ったのですが、その背後にはウブントゥという言葉があるということを皆さんとぜひ覚えたいと思います。そして、ある意味でアフリカ的であると思いますが、「共生」という言葉がキーワードなんだということを学んだという気がいたします。
これからの社会はコンピューターがどんどん処理していって、放っておくと人間と人間が直接関わるということが減っていくんですね。そういう社会の中で人が人と関わり人が人を支えていくことが大きな喜びであるということを実感するためには、幼い頃からそういう大きな文化の流れと距離をとって、「人と人が豊かに関わるのが本当の喜びなんだ」というもう一つの文化を創っていかなければいけないと思います。そのためにHSというムーブメントが持っている可能性というのはもっともっと拡げていけるのではないかと僕は思っているのです。最後にこのHSの可能性についてもう一言だけアピールしていただけますか?
親たち家族たちが関係性を築くことは大人になっても影響をもたらすもの
Joan:HSの活動に参加している方々にお伝えしたいのは、自分たちの仕事を過小評価しないでください、ということです。これは子ども達にしてあげられる最も重要なものだと思います。親たち家族たちが関係性を築く、それは大人になっても影響をもたらすものです。皆さんの活動がどれだけ重要かを理解していただきたいと思います。私も子どもとずっとかかわって活動してきました。だからこそ、今活動をしている皆さんに感謝したいと思います。皆さんの活動は、長い視点から見れば、将来的には私のような仕事をしている人の仕事が減ることにつながります。ご自身に拍手をどうぞ。ありがとうございます。
汐見:ジョアンさん、今日はありがとうございました。
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国際シンポジウム第二部
イギリスにおける調査報告
ホームスタートが家庭とボランティアにもたらすインパクトについて
HSで活動している皆さんは、実際に訪問して直感的に「自分は変化を生み出している」ということを認識しているのですが、今日はどのような変化を生み出したか検証していきましょう。
イギリスでは2011年から追跡調査している10万人ほどの子どもに基づくデータで、「セオリー・オブ・チェンジ(変化を生み出す理論)」を特定できるようになりました。サポートを受けると親の行動が変わり、そして親の行動が変わるとその子どもにも良い影響を与えるというサイクルになっています。この子どもへの影響という部分が一番大事な部分となります。
オランダ・アムステルダム大学では、長い間子どもたちの状況を追跡調査してきたのですが、親だけではなく子どもに対しても良い結果が見い出されました。また、より困難度が高い家庭ではより多くの改善があったという結果が示されています。さらに、ニーズに対するインパクトだけでなく、支援後のレジリアンス(耐久能力)にも着目しました。人生は紆余曲折があるわけですが、実際に親のコーピング(問題対処)能力がどれだけ改善したかを調べたのです。北アイルランドの場合、56%の親のコーピング力が改善したという結果になりました。(中略)
次に、訪問するボランティア側に起きるエンパワメントについてふれましょう。スコットランドでの調査では、自信の醸成、心身の健康、意欲やスキルの向上、社会参画促進などコミュニティ開発につながるインパクトがデータによって示されています。
ホームスタートには、こうした様々なエビデンスがあるだけでなく、様々なストーリーがあります。私たちはその豊かな家族のストーリーも伝えてゆくべきだと思っています。
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国際シンポジウム第三部
~世界各国の子育ての現状とホームスタート~
ロンドン大学名誉教授・HSW副議長のマーガレット・リンチ女史のコーディネートで、日本、ウガンダ、オーストラリア、オランダの活動が紹介されました。
ウガンダでは、貧困からくる子どもへの暴力・栄養不足・不衛生を改善するためにHSが取り組まれ、オーストラリアでは家庭内暴力の被害にあった家族に、オランダでは難民の家族にボランティアが寄り添う支援を届けています。日本からは、HSの急速な広がりとその背景や戦略について発表され、他の国々から髙い関心が寄せられました。
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参加者アンケートより
・子育ての悩みは子どもが成長していくにつれて変化していき、なくなることはありません。完成したホームスタートではなく、広がり・深まりを常に求めていく姿勢を学びました。
・他国の活動状況を知り、日本の現状(子どもの貧困等)でも効果があると実感が得られました。
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11/8-9 研修会議
HSの付加価値を高めるプログラム開発
会場を国連大学から墨田区のスカイツリー前ホテル会議室に移し、各国代表者と日本各地のオーガナイザー(マネジメントスタッフ)との合同研修会議を開催しました。
ボランティアによる「傾聴」と「協働(一緒に家事育児をする)」の訪問支援を基盤としながら、多様な子どもと家族のニーズに対応する付加プログラム開発が各国で進んでいます。実践事例報告を通じて、支援の付加価値を高めるためのノウハウを学び合う機会となりました。
日本では、2018年度よりホームスタート・プラス・プログラム開発事業に取り組み、多胎児、障害児、外国にルーツを持つ親、ひとり親等への支援強化と学齢期の訪問支援の体制づくりに新たに取り組んでゆきます。
8日(海外40名+国内57名)
1)乳幼児期の発達を支援する
・UK:入学準備プログラム
・スリランカ:栄養指導と生活向上支援
・チェコ:おもちゃと親子の愛着形成
2)子育て支援の重要性と認知度向上
・UK:スキームの周知活動
・カナダ:PR・キャンペーン
3)ワークショップ
・オランダ:学齢期支援
・UK、日本:妊婦支援
・HSW:組織基盤強化、 難民支援
4)パートナーシップの推進
9日(海外41名+国内6名)
5)ボランティア研修の開発
6)ファンドレイジング
7)クォリティ・アシュアランス
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11/10-11 地域訪問
海外参加者32名が、福島・茨城・埼玉・東京・愛知・大分・宮崎の12地域を訪問し、子育て支援施設視察や523名の地域関係者との交流やホームステイ等を体験。日本の豊かな文化とホスピタリティに大感激でした。国は違っても言葉は違ってもフレンドリーなスピリッツは同じで、互いに学び笑顔になれるHSの魅力を実感しました。
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HSワールドワイド議長からのメッセージ
HSのボランティアの皆さんは、オーガナイザーや地域の関係機関とのつながりだけでなく、世界22ケ国の仲間ともつながっています。このネットワークから、私たちは多くの事を互いに学び合うことができるのです。同時に、国や文化は違っても、ホームスタートのフレンドリーであたたかい訪問支援の姿勢は同じであり、子どもと家族にとって大切なことであることにも気づかされます。
今回のHS世界会議では、日本の文化と熱意ある支援者の皆さんから多くのことを学ぶことができました。開催にあたりご支援ご協力いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。これからも、子どもたちの未来のために共に手を携えて、HSの訪問支援の輪を広げてゆきたいと思います。
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HSフォトコンテスト 笑顔あふれる6点が表彰されました
たくさんのご応募、ありがとうございました。
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開催にあたり、多くのご寄付ご協賛、ボランティア等のご支援ご協力をいただきました。皆さまのあたたかいご支援とご協力に心より御礼申し上げます。