活動報告

福島でホームスタートを始めた想い・ 会津坂下町 NPO法人こころの森/ホームスタート・ばんげ オーガナイザー 渡部栄子さんのお話

左・ホームスタート・ばんげ オーガナイザー渡部さん
右・ホームスタート・こころ オーガナイザー中野さん

ファミリーサポート事業の中で感じていた支援のすき間

 震災がある以前より、私たちがやってきたファミリーサポート事業(保育や送迎サポート)では十分にできないお母さんへの寄り添い支援の必要性は現場で実感していて、まさに私たちが必要としているのはホームスタートなんだ!と、2010年の冬ごろから感じていました。それから、地元での勉強会を3月5日に開催した矢先にあの震災が起こりました。

震災後の被災者支援として始めたホームスタート

町中が一体となって避難者支援に動いていて私自身も走り回っていたんですが、「自主避難をされてきたお母さんと子どもに支援を届けたい!」という思いがその中で湧いてきて、今すぐホームスタートを始めようと決心したんです。ホームスタート・ジャパンの皆さんにも支えてもらいながら、それがようやく形になりました。雪の季節は浜通りから引っ越して来られた方には大変な時期ですし、こもりがちになります。ばんげに来て下さった方々に少しでもお役に立てたらとも思ってこの活動をしています。

初めての訪問支援で

お母さんと一緒に過ごす訪問支援は初めてで、最初の家庭では正直緊張しましたが、最後の訪問の時に「来てもらえて本当に助かりました。おかげで気持ちが楽になれました。ありがとうございます。」とにこやかに言っていただき、ああやっぱりやってよかったぁ~と実感できました。

いつも気軽に立ち寄ってもらえる場所・プレひろば

訪問支援を終えても、大勢の人がいる拠点などはちょっと苦手という方もおられるので、6畳ほどの小さなスペースですが、プレ・ひろば的な場づくりにもボランティアの方々と相談しながら取り組みました。訪問支援が終わっても、いつでも気軽に連絡をしていただけたらと思っていますし、この場所もそういう面でとても役立っています。逆に、いきなり訪問を受けるのはちょっと、と思われる方には、ここで御目にかかって安心していだけてからおうちに伺うということも考えているところです。こうした場をもっていない団体でしたが、今回の支援活動をきっかけにこうした場をもつことにもつながりました。
 
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<HSJサポートスタッフより>

 ホームスタートばんげのオーガナイザー渡部栄子さんは、心熱く行動力のある方です。涙もろいところもおありで、私も何度ももらい泣きしたりしながら、御一緒してきました。行政とNPOの協働もとても進んでいる町で、保健師さんとの連携や教育委員会や保育園、小児科医院といった様々な機関とのネットワークもこの事業を進める中で一層深まっているようです。人と人、組織と組織をつなぐホームスタートらしさが存分に発揮されようとしています

※5月1日、28日とHSばんげの活動がNHKで首都圏と東北で紹介されました。